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なぜソーシャルメディアのリーチは誤解を招く指標なのか

Fangi Lin
昨今、ソーシャルメディア各社はユーザーをプラットフォーム上に留めておくために動画フォーマットの推進を続けており、その結果、ソーシャルメディアの「リーチ」が優先的なKPIとなっています。例えば、Instagramのリールは他のフォーマットよりも約36%多くリーチ数を獲得しています。一見すると、これは強力なパフォーマンスのように見えますが、実際にはコンテンツの質やオーディエンスの質に関する全体像を完全には描き出せていません。
マーケティングおよびPRチームにとって、リーチは「ある瞬間がどれだけ遠くまで伝わったか」を示しますが、真の価値がその最初の爆発的な広がりに留まることは稀です。代わりに、その次に何が起こるか、つまりメディアがそれを取り上げたとき、他のクリエイターが言及したとき、あるいはその瞬間が自律的に勢いを増したときにこそ、真の価値が現れます。その「二次的な波及効果(Indirect Echo)」こそが、影響が蓄積されROI(投資対効果)が明確になる場所であることが多く、それはリーチだけでは測ることができないものです。
だからこそ、より多くのブランドが、表面的な初期インパクトだけでなく、影響力の連鎖全体を示す他の指標に注目しています。本記事では、それらの指標がどのようなもので、どのように機能するのかを解説します。

ソーシャルメディアのリーチとは何か?

ソーシャルメディアのリーチとは、単にソーシャルプラットフォーム上で特定のコンテンツに接触した「ユニークユーザーの数」を指します。メディア分析で使用される場合、特定の期間内にプラットフォーム全体のオーディエンスに対して、投稿、ストーリーズ、または広告がどれだけ広く表示されたかを示します。

端的に言えば、ソーシャルメディアのリーチは「ある情報がどれだけ遠くまで伝わったか」を教えてくれます。

リーチは拡散の広がりを示す一方で、その可視性の背後にある「価値」までは教えてくれません。リーチはすべてのクリエイター、メディア、チャネルを等しく扱いますが、実際には一部のソースが他よりもはるかに大きな影響をもたらします。ある投稿が数百万人へとリーチしても、ブランドにとってのプラスがほとんどないこともあります。ここにリーチ数の落とし穴があります。リーチは、価値の低い瞬間を過大に、価値の高い瞬間を過小に見せてしまう可能性があるのです。

なぜ今、これが重要なのか:Metaによる指標の刷新

この限界は今日、さらに顕著になっています。プラットフォーム自体が可視性の測定方法を再編したからです。最近のアップデートで、MetaはFacebookとInstagramの両方において「ビュー(Views)」を優先する方針へシフトしました。これは、インプレッション、再生数、そして一部の面ではリーチしたアカウント数などの指標に代わり、コンテンツが画面に表示された総回数を指すものです。

リーチという指標は依然として存在しますが、現在はプラットフォームが推進する単一の可視性指標(ビュー)の陰に隠れています。Metaのエコシステム(サードパーティ製ツールを含む)全体で「ビュー」がデフォルトになるにつれ、マーケティングおよびPRチームは、ユニークオーディエンスよりも、単なる数値上のボリュームというレンズを通して可視性を評価するようになっています。

これはリーチが無関係になったということではありません。単に、プラットフォームのレポートがどのように進化してきたかを理解し、なぜ可視性(リーチ)だけでは真の影響力を反映できないのかを読み解く必要があるということです。

なぜブランドはMedia Impact Value® (MIV®) に注目しているのか

ファッション、ライフスタイル、ビューティ業界の新たな業界標準として、MIV®は、地域、チャネル、およびボイス(オウンドメディア、セレブリティ、インフルエンサー、メディア、パートナー)を横断してメディアの言及に金銭的価値を割り当て、ブランドがメディア露出の影響を数値化できるよう支援します。

すべてのインプレッションを均一に扱うのではなく、MIV®はブランドへの影響を実際に形作る要素、すなわち、配置(プレイスメント)の背後にあるボイス、コンテンツフォーマット、それによって生じるエンゲージメント、市場の関連性、そしてソースやチャネルの影響力を重み付けして算出します。

異なるボイスはそれぞれ異なるレベルの関連性を持っているため、影響力はオーディエンスのサイズだけで決まるものではありません。コンテンツは、誰がそれを届けるか、そしてそれがどのような文脈で現れるかによって、響き方が全く異なります。

これこそが、MIV®が捉えるニュアンスです。これにより、チームは各プレイスメントの背後にある価値を明確に把握できるようになります。例えば、インフルエンサーのInstagram投稿と主要メディアの編集記事を比較し、どちらが本当に影響を与えたかを理解することが可能になります。これにより、PRおよびマーケティングチームは、各施策のROIを正確に計算・比較できるようになるのです。

ソーシャルメディアのリーチ vs MIV®:Balmain(バルマン)ケーススタディ

LaunchmetricsのInsightsを使用して、2025年11月前半のBalmainのパフォーマンスを調査し、ソーシャルメディアのリーチとMIV®がそれぞれ何を明らかにするかを実証しました。プラットフォームの「Brand Focus」機能を使用し、MIV®順でランク付けされたブランドの露出トップ30に焦点を当てています。

一見すると、Kim Kardashian(キム・カーダシアン)の投稿は「3億5,400万」というリーチで、圧倒的に突出しているように見えます。この数値は最強のブランドインパクトを示唆していますが、実際に生み出された価値に目を向けると、その投稿が生んだMIV®は52万ドルでした。

次に、Noah Schnapp(ノア・シュナップ)の場合を見てみましょう。彼の投稿のリーチはわずか2,100万人でしたが、63万3,000ドルのMIV®をもたらしました。彼のコンテンツは、その時のブランドにとってより適切なオーディエンスに明らかに共鳴しており、これこそがリーチだけでは測ることのできない「質の高い影響力」です。

リーチだけを見ると結果は矛盾しているように見えますが、各ボイスが生み出した真のインパクトに注目すれば、この結果は極めて論理的であることがわかります。

MIV®はブランドパフォーマンスの包括的な視点を与える

MIV®は、市場、チャネル、ボイスを横断して可視性がどのように構築されているかを、マーケティングおよびPRチームがより明確に把握するための、広範な測定フレームワークの一部です。ボイスミックス(Voice Mix)、シェアオブボイス(Share of Voice)、ブランド・アソシエーション(Brand Association)などの指標と組み合わせることで、チームは「誰がインパクトを牽引しているのか」「どこにチャンスがあるのか」を深く理解できます。

  • 可視性がどのように構築され、誰が実際にそれを牽引しているのか
  • どの市場が期待以上の成果を上げているか、あるいは苦戦しているか
  • どのボイスが継続的な投資に値するか
  • 地域戦略やシーズン戦略において、投資すべきチャンスのある領域はどこか

例えば、MIV®をボイスミックスと併せて見ることで、どのクリエイターやメディアが最高のROIをもたらしているかを特定できます。そのインサイトは、予算配分の最適化やシーディング戦略の精緻化、そして将来の計画強化に直結します。

PRは「価値ある瞬間」のために取り組んでいる

可視性の解釈は、かつてはシンプルでした。しかし、ソーシャルメディアのリーチがすべての数値を膨らませるようになった今、真の影響力は見えにくくなっています。MIV®を通して各露出の真の重みを理解した今、一つの結論に達します。それは、リーチは「誰がその場にいたか」を教えてくれますが、MIV®は「誰が耳を傾け、誰が関心を持ち、誰が行動したか」を教えてくれるということです。

ここにROIの焦点があります。MIV®は、ボイス、チャネル、市場を横断してすべての露出の価値を数値化する統一された手法を提供し、どの瞬間が真にインパクトを与えたかを可視化します。それは「可視性」を、測定可能かつ比較可能な「資産」へと変えるものです。これこそが、PRおよびマーケティングチームがリーチだけでは決して得られない種類のROIです。

一度ブランドがその違いを理解すれば、単に最大値を追いかけるのをやめ、ビジネスを実際に動かす「価値」を指標として、より強固なナラティブ(物語)を構築することに集中できるようになります。

当社の専門コンサルタントにお問い合わせいただき、MIV®をはじめとする応用的なPR指標を通じて、貴社チームが最大限の効果を発揮する方法をぜひご確認ください。


※本記事は、Pawandeep Kaurにより執筆されLaunchmetrics(本国)に掲載されたブログ記事の翻訳です。

 

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